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平成24年(2012年) 3月 6日 個人質問

 

◆(さいとう) 通告に従いまして、随時質問をさせていただきます。

 都市鉱山に対する本市の取り組みについて。

 

 

 現在、日本全国で注目され、取り組みが始まっている都市鉱山。携帯電話を初めとした小型家電の多くは小さな精密機器のため、たくさんの貴重な資源が眠っています。これを正しく回収し、リサイクルを進めることで、多くの貴重な資源が確保できるものであります。

 金を初めとした貴金属、ベースメタルなどは広く知られています。また、最近特に注目され始めているのがレアメタル、レアアースです。このような貴重な資源を無駄にせず、しっかりと生かしていくことは自治体の役目であると思っています。

 また、少し前、中国との外交の中で、レアメタル輸出停止というような議論が起きたこともあり、それくらいレアメタルというものは我が国にとって必要不可欠なものであると同時に、輸入に頼らざるを得ない貴重なものであります。

 以前、9月議会でも、廃棄パチンコ台の調査をしたところ、廃台の中には相当量の資源が眠っていることを認識しました。これをしっかりとした管理システム及びリサイクル技術により効果的に処理をし、多くの貴金属、ベースメタル、レアメタルなど、貴重な資源を抽出することができるのも、我が国の、日本の技術力の高さがもたらすものであります。

 しかし、現在、都市鉱山の大切さは叫ばれてはいるものの、実際に取り組みが進んでいる自治体は少なく、いまだにごみとして処分されている状態であります。これを政令市である本市がしっかりと取り組み、全国に手本を見せる、いわゆる名古屋スタイルを確立し提示できれば、地域主権の一つの形になるであろうと考えます。

 本市は、平成21年度からこの問題に対してモデル事業を始め、取り組んでおります。これには、国の補助金を使い行われているものもあり、効果の高いものが行われていなければならないはずです。しかし、その実態はどうでしょうか。

 市民、民間企業の意見を集約し、本市環境局との意見交換をしたところ、市民の方々と本市の考え方に幾つかの理念の違いがありました。そのため、理念の違いはあるにすれ、市民の感覚では、本市は、都市鉱山の啓発、自治体としての取り組みが明確に出てきているとは到底思えないといった意見を聞いています。事実、集め方、処理の仕方、管理の仕方、この指針すらも明確に出ない状態です。

 

 このような地方自治体の事情を踏まえ、現在行われている通常国会で、国による都市鉱山に対する法案化が進んでいると聞きます。いつまでこのような国に頼った地方自治を続けるのでしょうか。この状態で地域主権、地方分権などを訴えることはできるのでしょうか。どのような法制化がなされるにしろ、回収における処理、管理方法は地方自治体の責任で行われるものであります。民間では当たり前のように行われ、効果が出ているものをなぜ自治体はできないのでしょうか。

 こういった自治体と市民、民間のギャップを埋めることが地域主権の初めの一歩であり、我々、市民の声を聞く議員の責務であると考えます。

 小型家電の特徴としては、携帯電話を初めとして小さな精密機器であります。そのため、使わなくなったもの、壊れたものであっても家庭などにおいてさして邪魔にならないため、ごみとして排出されにくく、眠っているものが多くあると考えられます。まさに都市鉱山の名のとおり、掘り起こさなければならない貴重な資源であります。

 現在、その都市鉱山が間違った方法で掘り起こされているのではないかという事例も耳にします。法的な問題もしかり、このように回収されたものが正しく処理されているかどうかも疑念が生まれます。こういった事情も加味し、本市として積極的に取り組むべきと考えます。

 その中で、大切なことが幾つかあります。市民がみずから家庭などにある不要な都市鉱山を認識し、排出できる環境づくりをつくること、都市鉱山が効果的により多く回収できるシステムづくり、集まった都市鉱山が適切に処理されているという明確な市民への開示など、このほかにもいろいろな取り組みが必要であります。

 ここで、環境局長にお尋ねをします。本市の都市鉱山に対する考えをお答えください。

 

 1、さきに述べた都市鉱山の特徴を踏まえ、より多く回収するためにどのような取り組みをお考えでしょうか。

 2、現在不正に回収されているとうわさされる事例についての認識及び感想をお聞かせください。

 3、市民、民間との考え方、意識のギャップがなぜ生まれているのか。

 4、都市鉱山を集めた際の管理の必要性に対しての考え。

以上をお聞かせください。

 

以上で、私の第1回目の質問を終わります。

 

 

<<当局回答>>

 

◎環境局長(西川敏君) 都市鉱山につきまして、数点のお尋ねをいただきました。

 まず、1点目のより多く回収するための取り組みでございますが、議員もお話しされておりましたが、使用済み小型電子機器のリサイクル制度につきましては、現在国において、循環型社会構築の観点から新たな法案が検討されており、この3月にも閣議決定されるというふうに聞いております。

 この新法では、市民から排出される使用済み小型家電の回収は自治体の役割とされ、各自治体に強制するものではございませんが、取り組み可能な自治体が参加するものと位置づけられるというふうに想定しております。なお、回収後は、国が認定いたします事業者におきまして引き取り、それを資源化するものというふうな内容となっております。

 この新法の動向を見きわめつつ、本市が従前から主張しております使用済み製品の処理に係る費用を相応に生産者にも負担していただくという拡大生産者責任を踏まえた上で、製造、販売事業者の協力を得られるような回収方法としていくことなどが本市のとるべき対応として検討していくべきものと考えております。

 2点目の不正に回収されている事例についての認識でございます。

 本年1月31日の中央環境審議会の答申におきましても、有用資源が不用品回収業者等を経由して、海外において不適正に処理されている事例も報告されておるということが課題となっております。

 不正輸出などの事例につきましても、もちろんよくないことと認識しておりまして、バーゼル条約を所管する国において、適切に対応すべきものと考えております。今回の新法におきましても、そういった不正の対策についても規定されるものというふうに聞いております。

 3点目のリサイクル技術に関する民間とのギャップでございますが、小型家電に含まれる有用金属の回収につきましては、鉄やアルミなどのベースメタルや金などの貴金属につきましては、リサイクル技術が確立されております。しかしながら、リチウムなどの31種類のレアメタルにつきましては、同一工程で抽出できるレアメタルの種類が限定されているため、あらかじめレアメタルが含まれている部品をレアメタルの種類ごとに選別し、かつ含まれている量を一定量集めなければ採算がとれないという状況でございます。

 中央環境審議会の答申におきましても、回収技術が確立されておらず、経済的なリサイクルができないレアメタルの種類も多いとされているところでございます。つまり、都市鉱山と言われる資源のうち、経済的に回収できる技術が未確立のレアメタルが多く存在するということにつきまして、一部に認識の相違があるのではないかと思っております。

 4番目の管理の必要性でございますが、有用金属のリサイクルにつきましては、中間処理や金属精錬の段階においては、広域的、統一的な適正処理が必要であり、そのために新法におきましては、広域的、効率的なリサイクルの実施が可能であり、財務体質の健全性などの要件を満たした認定事業者の役割とされております。

 したがいまして、国がこの仕組みの中で認定事業者に対する指導監督を通じて、適正な管理が確保されていくものと考えております。

 いずれにいたしましても、本市がとるべき方策につきましては、法案の成立に合わせて検討していくべきものと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。

 

 

 

<<再質問>>

 

◆(さいとう) 環境局長の答弁のとおり、やはり市民、民間と役所のギャップを感じざるを得ません。これは、どちらが正しい、間違っているという話ではなく、民と官の感覚の違いだと考えられます。しかし、このような大切な問題において、市民の皆様の御協力、民間企業のノウハウは必要不可欠であります。民間から一番多く聞こえてくる言葉は、スピード感がないです。これは、小型家電の性質として、不正に集められ、処理されてしまえば、多大な損失になってしまいます。

 環境局長の言われるような、法案の成立に合わせて検討では当然手おくれになってしまうという声が聞こえてきます。また、先ほどの答弁でも、レアメタルに対する認識の相違が指摘されました。レアメタルというのは、読んで字のごとく、希少価値の高い金属であり、そのほとんどを輸入に頼っています。レアメタルの問題は複雑で多岐にわたりますが、とても重要なので、その中でもわかりやすい事例を一つ挙げさせていただきます。

 2000年代に入ったころ、長く車の触媒に使用されていた白金、すなわち、プラチナの代替品としてパラジウムが使用されるようになりました。その際、パラジウムの価格は急騰しました。白金の価格を超えてしまうような事態になりました。貴金属としても価値の高いプラチナを超えるなどという予想だにしない状況が生まれました。なぜこのような事態が起きたかというと、まさにこれこそがレアメタルの特徴であります。

 希少なレアメタルは、常にその代替使用が研究されています。継続的な代替使用の研究が行われている以上、このような需給バランスによる影響は避けられないため、このような観点からも回収を進め確保すること、その管理がとても大切であるのです。環境局長の答弁では、そのような観点が見受けられないのも民間とのギャップであると考えます。

 そこで、本市長にお尋ねいたします。都市鉱山というものの性質からして、民官一体となり取り組むべき問題だと考えます。市民主導の都市鉱山自治委員会を設置し、市民、民間の声を広く集め、本市の取り組み方を進めていくのはいかがでしょうか。お答えください。

 

 

◎市長(河村たかし君) 役所のほうはああいうことを言っておりますが、都市鉱山というのは50年、100年ぐらい先のスパンで考えないかぬ問題でもあるんだわね。何で鉱山かというと、要するに鉱山のように積んでいくんですわ、だーんと。それが名古屋だけでできるかどうかという問題がありますけど。フランスで民間の会社が積みまして、それが何とかいうレアメタルが宝の山になったということでございますので、そういう話というのは役所は余り得意じゃないわね、そもそも。だで、今言われた自治委員会というのも、名前はちょっとわかりませんけど、しかし、本当にそれが将来名古屋の人の宝の山になるんだったら、早く取り組んでやることも有意義だと思いますので、とにかく調査委員会でもないですけど、調査でいいですけど、そこへぜひ民間の方も呼んでいただいて、名古屋としてどうやって取り組んでいくかという、国の方法を待っておるだけなら待っておるだけですけど、待たずにやって、宝の山で、もし名古屋市民にとって大もうけできるようなものだったら、ぜひやっていくといいと思いますので、そういうふうに大至急調査を早めるように局長に指示をしたいと思います。

 

 

 

◆(さいとう) 御答弁ありがとうございます。

 早急に調査委員なり自治委員会なりを設置していただくことを要望します。このような市民参加のできる行政が市民一人一人の意識の高まり、よりよい市政を築くものだと思います。

 また、都市鉱山における名古屋スタイルを確立し、全国に広がることになれば、全国規模で貴重な資源を確保することができ、国益を守る大きな貢献につながります。今後とも、私も賛同いたします庶民革命をさらに推し進めることを誓いまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

 

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