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平成25年(2013年) 9月17日 個人質問

 

◆(さいとう) こんにちは。午前の部の最後なので、もう少しおつき合いください。

 お許しをいただきましたので、通告に従い、随時質問をさせていただきます。

 

 

 栄地区の再開発促進を初めとする活性化についてお尋ねをいたします。

 現在、国全体が人口減少時代に突入する中、経済も低成長時代に突入するなど、経済構造が成長社会から成熟社会へと転換し、本市を取り巻く環境も大きく変化しています。これまでのまちづくりの制度や手法がそのままでは通用し得ない時代に直面していると考えます。

 また、東京オリンピック・パラリンピック2020の開催が象徴的であるように、政治、経済、商業、情報などの東京への一極集中が急速に進んでいます。新宿副都心、品川、渋谷、日本橋など、東京都内各地で再開発事業がめじろ押しで行われており、都心部では大型クレーンが乱立しています。

 一方、名古屋市においても、名古屋駅への一極集中が急速に進んでいるように見えます。三菱地所が建設中の地上34階、高さ約180メートルの大名古屋ビルヂング、また、JR東海が建設中の地上46階、高さ約210メートルの名古屋駅新ビル、日本郵政が建設中の地上40階、高さ約195メートルの名駅一丁目計画という三つの巨大プロジェクトが2015年の完成に向けて名駅前で進行中です。既存のJRセントラルタワーズ、245メートル、ミッドランドスクエア、247メートル、モード学園スパイラルタワーズ、170メートル、ルーセントタワー、180メートルと合わせて、名駅前の風景はさながらニューヨーク・マンハッタンのように生まれ変わろうとしています。

 しかし、名古屋駅と栄の二眼レフと言われた時代が懐かしいように、栄地区における再開発は遅々として進んでいないのが実情です。象徴的な事象としてよく取り上げられるのが、主要百貨店3店の売り上げですが、平成8年の3202億円から平成22年には1882億円と41%も減少しています。

 

 そのような中、本年6月にまとめられた栄地区グランドビジョンは、リニア開業を見据えて、名古屋大都市圏を牽引する国際競争力を有する栄地区まちづくりを実現していくための基本方針やガイドラインとして策定され、私も大いに期待をしています。

 しかしながら、期待する中、こんなことの繰り返しだというまちの声も重く受けとめております。官民が連携して市街地の整備を強力に推進し、海外から企業、人を呼び込むことができるような魅力ある都市拠点を形成することが重要な課題になっていると考えます。

 現在、栄地区周辺は、政令により都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域として定められ、土地利用規制の緩和や都市計画の提案、事業認可等の手続期間の短縮、民間プロジェクトに対する金融支援や税制措置を受けるための国土交通大臣の認定等の特別な措置を受けることができるようになりました。

 

 しかし、栄地区の再開発の動きは徐々には動きつつあるものの、名古屋駅前の動きに比べるとかなりの隔たりがあるように感じます。現在、栄地区には築40年を超える老朽化した雑居ビルが多く建ち並んでいます。中には、耐震化がおくれている建物も少なくなく、防災の面からも再開発の必要性を感じています。

 

 私は、本市がいかに規制緩和などの手法を通してにぎわいの創出、望ましい空間の演出、まちの防災力向上の面からも、民間再開発に向けた誘導を積極的に後押しするべきだと考えています。

 

 

 そこでお尋ねをいたします。民間開発事業による開発計画において、高品質でにぎわいのある望ましい公共空間の整備や防災に必要な機能の導入を計画した場合、私は、容積率の大幅な緩和を進めるのも一案だと思います。

 大阪に建設が予定されている新阪神百貨店は、都市再生特別措置法を活用し、容積率2000%の緩和が認められました。築40年を超える雑居ビルの建てかえには、採算ラインに乗るような規制の緩和が必要であり、栄地区に大幅な容積率の緩和を認めることにより、民間再開発の機運を高めるだけではなく、緩和の条件である良好な市街地の形成に大きく寄与し、にぎわいのある空間を生むことも可能となります。

 また、歩道空間の拡大にとどまらず、駐車場の附置義務、道路空間の商業利用、久屋公園の活用に関する規制の緩和なども有効であると考えますが、いかがお考えでしょうか。さらに、本市が栄地区において所有する市有地の再開発のおくれも民間の意欲をそいでいると考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 また、栄地区グランドビジョンにおいていま一つ必要な視点を挙げれば、大胆な規制緩和や税優遇が可能な都市再生特区制度を活用した外国企業を戦略的に誘致し、にぎわいのまちづくりに役立てることだと思います。進まない開発を進めたいと民間でも研究会が立ち上がっていると聞いています。

 それらからも得られるまちづくりの考え方が、これから開発されていく名古屋駅にも応用できるものにしていかなければいけないのではないでしょうか。田宮住宅都市局長、お答えをお願いします。

 

 

 

 

 続きまして、先日9月4日に起きました集中豪雨の水害に関しまして、水害時における自助力強化のPRについてお尋ねをいたします。

 先日の豪雨がもたらした被害、昨日もそうでしたけれども、地下街、地下鉄、金山帰宅困難者等々、我が国では100年に一度の災害が立て続けに起きている異常気象を前提にした市の対応はどうなっているのか。当時の雨量は、中区では1時間に100ミリを超える尋常ではない量の雨が降りました。自然災害の変化に対応し切れていないのではないかとさえ感じられるほどでした。

 今回の豪雨では、19時あたりには道路冠水も引きましたが、もう一波来るかもしれないということで、本市の職員さん方も徹夜で対応していた御苦労も存じております。道路のますから吹き出す雨水、道路にたまっていく水、多くの店舗が床下浸水をこうむってしまいました。

 私も、自身の目で見たものや町内の方々に聞いたお話などをもとに本市の対応状況も調査いたしましたところ、現時点では、中区においては1時間50ミリの雨量に対する下水道整備がなされているのですが、雨水の排出先の一つである新堀川は、当時満潮時であり、河口では危険水位に達していたことから、この100ミリを超える集中豪雨があともう1時間早く降り始めていたらと考えますとぞっといたします。

 また、中区の堀留から雨水が流れる新堀川は、今回は途中で引き潮に変わったこともあり、河川から水があふれる事態は免れましたが、こちらも河川の整備水準が満潮時に1時間50ミリ降雨対応なので、同様に100ミリを超える豪雨が降り続いたらどうなっていたのかと思います。

 このように類いまれなケースが最近多くなっているのは確かです。この100年に一度と言われる災害が2年、3年もと頻繁に続くのであれば、ハード面からも見直したりなど、しっかりと考えていきませんと市民の皆様の不安は拭えません。もちろん、ハード整備には多額の税金の投入が必要となってきますが、ハード面の整備を補う上でソフト面での充実が欠かせません。

 こうしたソフト対策の一つである水防・防災訓練でも配布されています「あなたの街の洪水・内水ハザードマップ」は、平成22年6月にも市内109万世帯の全戸にも配布されており、この中で、家庭で簡単にできる水防工法として簡易水防工法というものが記載されております。これは、土のうや水のうを段ボール箱に入れてレジャーシートで巻き込み、玄関先に設置して、ある程度の浸水を防ぐものです。土というものはなかなか入手困難ですが、水はまさにそこにあふれているものですから利用ができます。今回の突発的な雨量で排水が一時的に滞る場合にとても簡単に活用できる工法だと痛感をいたしました。

 これらは、防災・水防訓練や鍋屋上野浄水場での水フェスタ、ポンプ所公開時なども実施されていますから、職員が見せる形からもっと市民の方が実践をする形のものをさらにふやしたり、御自宅を守れるように行動に移せる体制をきちんととるべきだと考えますが、いかがでしょうか。野田消防長、お答え願います。

 それでは、第1回目の質問を終わりたいと思います。

 

 

<<当局回答>>

 

 

◎住宅都市局長(田宮正道君) 再開発の促進を初めとする栄地区の活性化策についてお尋ねをいただきました。

 名古屋大都市圏の中核を担う都心部は、栄地区と名古屋駅地区の二つの中心核から構成をされており、両地区が連携、あるいは役割を分担する中で、それぞれ個性を生かした魅力向上を図っていかなければならないものと考えております。

 そのうち、議員お尋ねの栄地区につきましては、本年6月に、リニア中央新幹線が開業いたします平成39年を目標とし、栄地区のまちづくりを実現するための基本方針となる栄地区グランドビジョンを策定したところでございます。栄地区の活性化を図っていく上で、民間の開発意欲を高めていくことは必要不可欠であることから、この栄地区グランドビジョンにおきましても、民間再開発の促進を方針の一つとして掲げております。

 この方針に基づきまして、本市といたしましても、駐車場の制度を含めた民間再開発のルールづくりや公有地を活用した先導的な再開発を推進するとともに、周辺の再開発を促進してまいりたいと考えております。なお、再開発の促進に際しましては、議員御指摘の都市再生特別措置法におけるさまざまな特例制度を積極的に活用しながら、民間の創意工夫を最大限生かした事業促進を図ってまいりたいと考えております。

 また、栄地区の活性化のためには、地区の強み、資産であります豊かな公共空間を有効活用したにぎわいづくりも重要なものと考えております。各地域でまちの活性化に取り組まれている地元の方々などと連携をいたしまして、久屋大通、大津通、広小路通などの公共空間を活用したにぎわい創出を進めるとともに、民間による公共空間の活用を一定のルールのもとで促進をするエリアマネジメントの仕組みづくりも進めてまいりたいと考えております。

 本市といたしましても、栄地区グランドビジョンの実現に向けまして、栄地区における多様な主体に積極的に働きかけ、スピード感のある取り組みを進めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

 

 

 

◎消防長(野田和義君) 水害時における自助力強化のPRについてお尋ねをいただきました。

 9月4日に発生いたしました集中豪雨では、市内各地におきまして内水氾濫による床上・床下浸水や、道路冠水などの被害が発生いたしました。議員御指摘のとおり、土のうや水のうを段ボール箱に入れてレジャーシートで巻き込み、玄関先に設置して浸水を防ぐ簡易水防工法なども、水害時には有効な手段の一つと考えております。

 現在、「あなたの街の洪水・内水ハザードマップ」や名古屋市ウェブサイトなどで水害時の対応方法についての広報に努めており、また、毎年5月に実施しております水防訓練などにおきまして、この簡易水防工法などを市民の皆様に普及促進しているところでございます。

 今後も、水害時の対応方法につきまして広報の充実に努めるとともに、水防訓練におきまして、体験型、実践型の簡易水防工法を拡充し、より一層市民の皆様の自助力向上を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

 以上でございます。

 

 

<<再質問>>

 

◆(さいとう) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、野田消防長、御答弁ありがとうございます。災害時の自助というものの重要さは非常に切実な問題です。これからまさに、きのうもでありましたけれども、台風到来のシーズンですから気が抜けません。

 平成22年6月に簡易水防工法の記載されたハザードマップ全戸配布やホームページ記載をされているのは当然なことですけれども、平成22年6月というのはもう3年たっていますので、こちらは浸透しなくては意味をなしませんので、ぜひ現場の声を、消防団ですとか、災害対策にかかわる地域の皆様の方々からもよく意見を聞いていただいて、今後訓練や行事にてますますの体験型、実践型をふやしていただきますことを迅速に努めていただきたいです。

 続きまして、田宮住宅都市局長、ありがとうございます。

 

 

 ただいま答弁いただきましたけれども、もう少し的を絞りまして、再質問をしたいと思います。

 築40年を超える老朽化した雑居ビルが多く建ち並んでいる栄地区の再開発を行う中で、高層化による土地の高度利用を進めた上で、公共空間の整備や防災に必要な機能の導入を求めても、実際には民間主導で解決できない問題も多いと思います。これらの問題も同時に解決していかなければ、本当の意味で栄エリアの都市再生を果たすことはできません。

 東京駅東側に広がる京橋地区は、まさに栄エリアと似た環境にあるまちだと思います。交通環境が極めていいものの、細切れとなった街区である上、老朽化した雑居ビルが密集し、地権者による権利関係が非常に複雑で、再開発をまとめ上げることが非常に難しい地区とされていました。ビルの空きフロアも年々ふえていたと伺っております。

 そのような中、2002年、国によって京橋を都市再生緊急整備地域に指定しました。これにビルの容積に関する規制緩和なども加わり、京橋の再開発が一斉に進められることとなりました。2013年3月には、東京スクエアガーデンが完成、京橋プロジェクトと題して再開発が進められた超高層複合ビルであり、高さ124メートルです。この計画がきっかけとなり、東京スクエアガーデンのほかにも次々と高層型のビルの建設が進められています。現在、京橋地区には10の高層ビルが建設中と言われております。

 そこでお尋ねをいたします。現在、栄エリアには三越百貨店の北側に栄角地があります。さまざまな計画を行っては消え、なかなか再開発計画が進まず、栄エリアにおける足かせともなっております。栄角地をきっかけに街区全体をまとめ、京橋地区再開発の起爆剤ともなった東京スクエアガーデンのように、再開発を進めることも、将来の防災に強く、望ましい公共空間の整備された魅力ある栄エリアの都市再生には必要だと思いますけれど、いかがでしょうか。田宮住宅都市局長、お答えを願います。

 

 

 

◎住宅都市局長(田宮正道君) 栄地区の活性化に向けた栄角地の活用につきまして、再度のお尋ねをいただきました。

 議員お尋ねの栄角地、すなわち錦三丁目25番街区につきましては、特色ある交流拠点となるよう、求心性、シンボル性のある再開発に先導的に取り組むとともに、この公有地を含む開発を行うことによりまして、議員から御紹介のありました京橋地区のように、栄地区においても連鎖型の再開発を進め、栄地区の魅力向上を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

◆(さいとう) 田宮局長、ありがとうございます。

 栄角地を初めとする街区につきましては、栄地区のシンボル的なエリアでありまして、地域のランドマークになるような再開発が望まれてやみません。もう似たような話ができては立ち消えと皆さんが落胆をされておりますので、そう言われることがないように、これからも名古屋駅かいわいと二眼レフ構想から、街区が一体として再開発を進めることができるように積極的に協議を進めていただきたいと存じます。

 これで、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

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