さいとう実咲
元 名古屋市会議員(中区選出)
平成26年(2014年) 3月 5日 個人質問
◆(さいとう) お許しをいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。なお、3の小学校の統廃合につきましては、時間の都合上、質問を割愛させていただきます。
まず、第1の質問といたしまして、公共交通の連携という観点から、市営地下鉄名城線の終着駅問題について質問をさせていただきます。
本市の北区と東区に接します大曽根駅。市営地下鉄名城線やJR中央本線、名鉄瀬戸線が乗り入れる重要な駅であることは皆様も御存じかと思われます。
ちっちゃいですけど、こちらの大曽根駅を出発するJR本線の午前零時以降のダイヤを調べてみますと、平日で午前零時11分に瑞浪行きの快速列車が、17分には多治見行きの普通列車が、そして、32分には最終の高蔵寺行き普通列車が出ております。また、名鉄瀬戸線についても、零時9分に喜多山行きの最終電車が出ております。ところが、現在、八事、本山方面から来る市営地下鉄名城線の左回りについては、午前零時1分に名城線大曽根駅に到着する新瑞橋行きを最後に、零時台の3本の列車全てが大曽根駅から一つ手前のナゴヤドーム前矢田駅どまりとなっております。
こちら、ちっちゃいですけど、済みません、名城線大曽根駅からナゴヤドーム前矢田駅との距離は約800メートルです。ナゴヤドーム前矢田駅のホームに立つと、トンネルの向こうに名城線大曽根駅の明かりがかすかに見えますが、おおむね徒歩10分の距離は乗りかえを考える利用者にとってはやや遠いと言えるのではないのでしょうか。
多治見、高蔵寺方面や瀬戸方面にお住まいの利用者が名城線を使って、先ほど御紹介したJR中央本線や名鉄瀬戸線の各列車に乗車しようとすると、ナゴヤドーム前矢田駅から名城線大曽根駅までの距離約800メートルを歩いて移動する必要に迫られるわけですが、これは公共交通の連携が図られていると言えるのでしょうか。この名城線左回り、午前零時以降の終着駅をあと800メートル、800メートルのこの1駅先の名城線大曽根駅まで延ばすことができれば、JR中央本線や名鉄瀬戸線との接続が改善され、乗客の利便性は向上すると、そう思えてなりません。
そこで、交通局長にお尋ねをいたします。先ほど紹介しましたとおり、電車で行けばわずか1駅、乗車時間にすればわずか1分にも満たない距離ではありますが、午前零時以降におけるほかの路線との接続が大幅に改善されるこの提案についてどう思われますでしょうか、お答えください。
次に、シルバー人材センターの家事援助サービスについてお伺いをいたします。
シルバー人材センターにおいて、家事援助サービスという制度があり、どなたでもシルバー人材センターに御依頼をいただければ、簡単な家事援助を受けることができます。また、本市においては、高齢世帯など一定の条件を満たす世帯に対して、生活援助軽サービスとして、年4回まで軽易な作業を170円という大変安価な条件でお願いができるという制度を行っております。この事業は平成12年から行われているようですが、一般への周知はなかなか進んでいないのかなと思われます。まず、この制度の状態とその推移をお尋ねいたします。
こちらにありますのが、またちっちゃいですが、こちらにあるのが本市の生活援助軽サービスの告知チラシですね。A4のものなんですが、こちらが表面、こちらが裏面です。このチラシは余り上手であるとは正直言えません。つまり、例えば170円という料金、この制度の中で一番キャッチーなポイントが、この裏面のちっちゃなところに知らされています。また、このチラシを見ますと、年間4回しか使えないとも読めるのです。こちらはダウンロードなり、ちょっと見ていただくとして、こういった表現をされますと、困ったときのために、利用者のほうはその4回分はとっておこうと、そう思うのが人間の常だろうと思います。
このチラシを見る人は、シルバー人材サービスセンターの家事援助サービスがあることを知っているとは限りません。ですから、このチラシで、シルバー人材センターの家事援助サービスも告知をして、5回目以降も料金は通常価格ではありますが、利用はできるのだとお知らせをすべきではないのでしょうか。
こちらもちっちゃいですが、最初に値段を持ってきた提案のパネルでございます。こちらに、例えば、こんな形であればわかりやすいのではないかとつくってみましたチラシ案があります。このように、誰でもシルバー人材センターから家事援助を受けられる、このことを告知したことで、対象条件に当てはまる世帯にはお得な価格で御利用いただけることをお知らせする。こうすればもっと御利用は広がるのではないのでしょうか。
そして、場合によっては作業が2時間で終わらないということもあります。そうした場合には、本市の生活援助軽サービスとシルバー人材センターの家事援助サービスを弾力的に適用して、利用者にとって使い勝手のよい制度とされるべきではないでしょうか。
以上4点を健康福祉局長にお尋ねをいたします。
次に、「本市におけるCISO--最高情報セキュリティー責任者機能の明確化など情報セキュリティーに関する人材、体制の強化について」をお尋ねいたします。
我が会派の代表質問でも触れることがありましたが、総務省は、電子自治体の取り組みを加速するための10の指針を公表し、パブリックコメントの手続に入っております。これを見ますと、本市を初めとする地方公共団体における電子自治体の取り組みが向かう先はクラウド化であろうということが理解ができます。それは、10の指針のうち半数以上である6の指針が、共通番号制度、いわゆるマイナンバー制度導入に合わせた自治体クラウド導入の取り組み加速に触れていることからも容易に読み説くことができます。
このように、電子自治体の取り組み、それにおける基盤となる要素が共通番号制度であろうと思われます。この共通番号制度を定めた行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案、いわゆるマイナンバー法案が国会に提出をされたのは、平成24年2月のことであります。
この下地になった平成23年6月の政府・与党社会保障改革本部決定の社会保障・税番号大綱に基づき、それ以前の住民基本台帳法における住基カードの位置づけが、住民は、市町村長に対し住基カードの交付を求めることができるとされていたのに対して、マイナンバー法案における個人番号カードの位置づけは、市町村長は、住民に対し、その者の申請により、個人カードを交付しなければならないとされております。つまり、住基カードの発行に関しては、市町村長の義務が規定されておりませんでしたが、個人番号カードに対しては、交付しなければならないとされたのであります。
交付率が低かった住基カードと違い、個人番号カードには交付の義務規定が創設されたことにより、今後、住民票や印鑑証明などのコンビニ交付や現行のe-Tax、いわゆる電子納税、そのようなサービスがこれまで以上に広がることが期待をされます。その一方で心配されますのが、情報セキュリティー対策。つまり、大規模サイバー攻撃などの脅威から情報をいかにして守り抜くかということであります。
平成25年4月に行われた名古屋市長選挙において、河村市長は、マニフェストにうたった10個の政策のうち、その政策9に、マイナンバー反対を明記しておりました。こちら、共通番号制度への反対にはいろいろ問題が、理由があったとは思いますが、その一つとして、さきに取り上げました情報セキュリティー対策、つまり、情報が漏れたらどうするのかという懸念があったのではないかと私なりに解釈をしております。
河村市長は、以前からも住基ネットについて、安全性が確保されるまでは離脱して検証するという独自の考え方を提唱されるほど、情報セキュリティー対策の面から共通番号制度の活用にも反対だったのではないかと思われるだけに、今回の導入には涙をのんで決められたことであり、そうであったとしても、決めた以上は情報セキュリティー対策について、他の自治体のお手本となるような対策を、こちらをとられたのでしょうか。
先ほど総務省指針案においては、指針9としてCISO、この機能の明確化等、情報セキュリティーに関する人材、体制の強化がうたわれております。これは、クラウド技術等のICT--情報通信技術の進展に伴い、共通番号制度の導入や、高度化する大規模サイバー攻撃等の脅威の増大等から個人情報などのデータを守り抜く体制づくりが求められており、その中核としてCISO機能の確保が必要であるとされているところであります。
ここで、本市において、CISO機能の確保はどのように図られているのか、また、共通番号制度に対する情報セキュリティー対策はどのように対応されているのか、総務局長にお尋ねをいたします。
以上で、1回目の質問を終了いたします。
<<当局回答>>
◎交通局長(三芳研二君) 地下鉄名城線の終着駅について、公共交通機関の連携を図るため、名城線左回りの零時以降の終着駅を大曽根駅とすることができないかとのお尋ねをいただきました。
環状線となっております名城線につきましては、終端駅の藤が丘と高畑に車庫があります東山線などの他線とは異なり、終端駅がないことから、最寄りに大幸車庫があるナゴヤドーム前矢田駅を終点としているところでございます。
議員から御質問をいただきましたナゴヤドーム前矢田駅どまりの列車を大曽根駅まで運行するためには、大曽根駅の留置線を使用して折り返し車庫に入れることや、そのまま留置線に留置をさせておくことが考えられますが、零時以降に名城線左回りがナゴヤドーム前矢田駅に到着する列車のお客様は、1列車当たり7名程度と大変少ない上に、大曽根駅の留置線は右回りの列車を折り返して栄方面へ運行させるために設置をしているものでございまして、左回りの列車を留置線へ移動をさせることは異例でありまして、リスクが拡大することになるため、現段階では緊急時以外の運用はいたしておりません。
しかしながら、議員から御指摘いただきましたように、交通局といたしましても、公共交通機関の連携を図り、他社線との乗り継ぎ連絡による利便性を向上させることは大切な観点だと、このように考えておりまして、今後お客様の利用状況を見きわめながら研究をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◎健康福祉局長(纐纈敬吾君) 健康福祉局にシルバー人材センターの家事援助サービスに関連して数点のお尋ねをいただきました。
本市の生活援助軽サービス事業につきましては、65歳以上のひとり暮らしの方などに対し、臨時的で軽易な日常生活上の援助を通して在宅生活を支援するものでございまして、費用の一部を御負担いただくことにより、年4回御利用いただけるものでございます。
事業実績につきましては、利用者数は毎年着実に増加しておりまして、平成24年度には利用者数約5,600人と、前年度と比較して約200人の増加となっております。
次に、議員御提案のチラシの掲載内容につきましては、利用される方にとってよりわかりやすいものとなるよう検討してまいりたいと考えております。
また、本市の生活援助軽サービスとシルバー人材センターの家事援助サービスをあわせて利用できるようにすべきではないかという点につきましては、現行におきましては、継続的、あるいは2時間以上かかるような作業は、シルバー人材センター独自のサービスを御利用いただくものと考えておりますが、今後、生活援助軽サービスを初めとした生活支援サービス全体を充実していくことは必要なことであると考えておりますことから、議員御提案の趣旨も踏まえまして、より使いやすいものとなるよう検討してまいりたいと考えております。御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
◎総務局長(葛迫憲治君) 本市におけるCISO機能の明確化など情報セキュリティーに関する人材体制の強化についてお尋ねをいただきました。
マイナンバー制度に関する情報保護対策については、個人番号の利用範囲を限定していること、個人番号のみで本人確認を禁止していること、個人番号カードは顔写真つきのものとなり、本人以外は使用できないこと、漏えいして不正使用のおそれがある場合は、新たな個人番号を付番できることなどの対策が法律で定められております。しかし、現時点でマイナンバー制度に関する政省令等が出されておらず、不明確な部分もございます。今後、整備される政省令等の情報を収集し、適切な情報保護対策を行ってまいります。
また、本市の情報保護体制として、情報の保護及び管理に関する方針を決定するため、情報安全会議を設置し、その下に電子情報保護部会と情報審査委員会を設置しております。電子情報保護部会では、情報保護研修や情報セキュリティー監査などの全庁的な電子情報保護対策を推進し、情報審査委員会では、情報システムの開発時等に情報システムのセキュリティー対策を内部審査しております。さらに、個人情報を取り扱う情報システムの場合、外部有識者により構成されます名古屋市個人情報保護審議会においても審議しております。
マイナンバー制度に関する情報システムにつきましては、法制度上の仕組みを踏まえるとともに、本市の情報保護体制を活用して、十分なセキュリティー対策に取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
<<再質問>>
◆(さいとう) それぞれの御答弁をいただきましたので、ありがとうございました。随時、意見及び要望をさせていただきます。
まずは、地下鉄名城線の終着駅問題について、交通局長の答弁をいただきました。今回初めてこの問題を取り上げましたので、今後の期待を込めて、幾つかの指摘をさせていただきます。
まず、御答弁では、1列車当たり7名程度という乗客数を根拠とされておりましたが、それは現在の列車が名城線大曽根駅まで延びていない現状が前提でありますから、こちらは何の参考にもならないのではないのでしょうか。例えば、対象となる列車の乗客にアンケート調査を行うなど、こういったことをされたのであれば話としては理解をいたしますが、そのお答えでは到底納得することができません。
私は、鉄道事業の専門家ではありませんから、留置線や引き込み線の活用といった運行の具体案に対しては、こちらはプロである交通局長を初めとする交通局の皆様に全面的に委ねるほかありませんが、私も名城線の利用者の一人でありますから、その立場に立って考えますと、少々残念な答弁であるように思われます。
ただし、答弁では同時に、私が指摘いたしました公共交通間の連携を図り、他社線との乗り継ぎ連絡による利便性を向上させることが大切な観点であるとの認識が共有できたことは、私にとってはかすかな望みであります。
現在策定されている名古屋市次期総合計画においては、集約連携型都市構造の実現を目指すとされているところであります。公共交通の駅を基盤としてまちを集約化し、公共交通の連携を向上させることは、都市の利便性を高め、価値を上げるものであると考えます。他の公共交通につきましても、より連携、連絡という利用者の利便性に考慮した設計をなされますように要望させていただくとともに、次回以降の質問でこの問題についてお伺いをすることもあろうかと思われますが、その際はぜひ前向きな答弁を期待しております。
次に、健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。
自治を賄う自助、共助、公助のうち、地域コミュニティーの力が失われがちで、共助の仕組みがどうしても弱くなっております。このような共助を補うものとして、平成12年より施行されている本市の生活援助軽サービスは、時代の要請を先取りしたすぐれた施策であると考えます。ぜひこの制度をより使い勝手のよいものとし、ぜひ多くの皆さんに御利用いただきまして、生活を便利なものとされますように充実をさせていただきたいと思います。
最後に、本市におけるCISO機能の明確化など情報セキュリティーに関する人材、体制の強化について、総務局長の御答弁をいただきました。
御答弁によれば、個人カードを落としたとしても、届け出をしてマイナンバーの再発行をお願いすれば、なくしたカードもナンバーも無効になることが確認できました。つまり、手続さえとれば個人番号が他人に知られる、そういった問題は発生しない仕組みになっておることがわかり、むしろ、住所や生年月日などが記載されています運転免許証を落としたときよりもはるかに安全性が高いことが明らかになりました。
本年2月13日の新聞報道によりますと、河村市長は、番号カードを落としたら大変だと述べていたそうでありますが、実際の制度設計ではそのような危惧はなく、もし紛失しても迅速に手続をしていただければ問題は起こらないわけでありますから、この点については、今後、いやが応でも共通番号制度に関する施策を進める立場にある市長の認識を改めていただきたいと思います。
市長の発言力は絶大ですから、市民の皆様の不安をあおるようなことなどないようにしていただきたいです。ぜひともその不安を和らげてください。
ところで、私が今回のテーマを選んだ理由としては、一つの危惧がありました。それは、共通番号制度に反対される河村市長が制度導入に関する予算を計上される際に、必要以上に予算額が絞られるのではないかと、情報セキュリティー対策がおろそかになるのではないかと、そういう点でありました。その点については、総務局長の答弁をお聞きする限り杞憂に終わりそうではありますが、私は逆にこういう思いを持ちました。
それは、今回の予算計上について、共通番号制度には反対だが、法的に要求をされる以上、泣きの涙だがしようがない、一番残念とあれほど悔しさを見せられておられた河村市長でありますから、事務処理に関する予算以外、全額国費負担となっている今回の環境整備に加え、リーダーシップを発揮し、本市の一般財源を投入してでも、市長が懸念されます情報セキュリティーに関する不安を取り除くだけの本市独自の対策がとれたのではないかという点であります。
先ほどの総務局長の答弁にもあったとおり、事務方としては考えられる限りの体制をとって臨まれてきたことは容易に想像ができますが、恐らく河村市長の懸念はそれをはるかに上回るものではなかったのでしょうか。そうであるとするならば、今回、対策に関する本市独自の予算、この一般財源が充てられている、そういうことが入っていないことをあわせて考えましたそのときに、私はやはり、何だ、やっぱり結局言うだけ言って、後はほったらかしなのかなという感想しか出てこないのでありました。
いつも市民との約束である公約をかたくなに守ろうとする河村市長のことですから、マイナンバーが通ってしまったから、後は知らぬ存ぜぬではなく、マイナンバー反対の背景となっていたと私なりに推察した情報セキュリティー対策について、人材、体制の強化に少しは目を向けていただけることを要望いたしまして、質問を終わらさせていただきます。
